また台湾へ行ってきた
- Mari Okazaki

- 8 juin
- 10 min de lecture
Dernière mise à jour : 9 juin

読んで字の如く。また台湾へ行ってきた。去年の秋に初めて訪れて以来、私があまりにも台湾のことが大好きになったので、夫や各方面に「台湾台湾台湾」と言いまくっていたら、うんざりしたのか、夫が「分かったよ... 春に家族で行こう」と同意してくれて、三人で出かけてきた。子にいたっては、「ママはどうしてそんなに台湾が好きなの!(どうしてまた僕は台湾へ行かねばならないのだろうか)」と文句でも言いたそうにしていたが、あいにく若干七才の少年にバカンスの決定権はない。
バレエの先生(韓国系カナダ人、元プロバレリーナ)に至っては、「え、また台湾に行くの?前も行ってなかった?マリはどうしてそんなに台湾が好きなの?韓国のこと好きじゃないでしょ。もうマリに優しくするのはやめよう」とまで言ってきて、ギリギリのジョーク過ぎて笑うしかなかった。その後のレッスンではみっちりと鍛えられて、早速、有言実行のようでもあった。
というわけで、今度は初夏の台北へ。前回と同じ中山地区の通りに、別のホテルを取った。
前回のホテルは、一週間も泊まったからだろうか、日本の自宅へ年賀状と、誕生日にはカードを送ってくれるという優しさで、それなのに、同じ通りにある別のホテルへしれっと浮気した私を許して欲しい。。。
カードは印刷、一斉送信のシステマチックなことは理解しているけれど、わざわざ日本まで送ってくれるなんて...。お礼だけでも告げたくて、韓国から何かお土産を持って挨拶だけでもしに入ろうかなと思ったけれど、さすがにヤバい奴に思われそうで、出来なかった。前を通る際は、心の中でそっとお辞儀をした。
初日から、早速故宮博物院へ。前回見られなかった「自叙帖」リベンジと、夫をぎゃふんと言わせるためである(?)。朝、同じ時間の観光バスに乗ったもんだから、案内スタッフのお姉さんも前回と同じ人で、その後行った迪化街の薬局でも、前回と同じ老店主が迎えてくれて、それを覚えてる私も私だと思うけれど、まるで勝手に、古い友人に再会したような気分になってくる。『みんな変わらず元気そうで、私嬉しい...!』と盛り上がる。
結論から言うと、またも「自叙帖」リベンジはならなかった。売店のおじさんに半泣きで質問すると、「あぁ、それは普段飾ってないよ!傷むからね、数年に一回だけ。ウェブサイトでチェックして」と言われる。そんな〜!!
白菜ちゃんもまたいない。出張に出ている。まったく私よりも頻繁に出張に出ているのではないか。けどかわいいから許す!
角煮ちゃんには再会できた。子も角煮ちゃんがお気に入りである。故宮博物院の展示品のレベルには、何も言わなくとも夫も理解し、納得したようで、「この美術館はレベチだ...!」と感動したようだった。なぜだか私が誇らしい。偉そうである。
蒋介石よ、あなたがやったことは正直色々だが、少なくともお宝に関しては清朝からいろいろ持ち出してくれてありがとうと言いたい。

ということで、「自叙帖」は今後おそらく三年か四年後には展示されるはずなので、また来なくてはならない。三度目の正直なるか。「自叙帖」は見られなかったにしても、それ以外の素晴らしい書は全部見た。舐め尽くすように見た。偶然、硯の展示もやっていた。「私が来ること知ってたの?!くぅ〜!」と腹が立つ程、眼福な展示であった。



気が付くと、故宮博物院だけで、80 枚もの写真を撮っていた。この時の企画展は、「神獣再現」というテーマで、ゆるかわというか、摩訶不思議というか、空想上の動物たちを描いたものや陶器をたくさん拝見した。子どもでも楽しめる内容だったので、子も大喜び。青銅器のコーナーでは、金文がたくさん。これは帰ってから、金文を書きたくなる。そうしかと胸に決めて、残りの展示も隈なく見た。
今回は夫も一緒だったので、前回は疲れた子に阻止された三階の展示フロアにも行くことが出来て、私大喜び。博物院を出た後は、真横にある素晴らしい庭園で、お茶味のアイスクリームもいただく。メンズは移動のタクシーの中で昼寝という名の爆睡をしていたが、私は外の景色を見るのに忙しい。いや、相変わらず看板などにある、素晴らしい字を見つけるのに忙しいと言うべきか。

まだ、台北(と近郊の淡水)しか行ったことがない者にとって、台湾の魅力を総論として語るのは、無資格か、恐れ多いことのような気がする。それでも、少なくともこの台北という街の魅力は、なぜだか全然メンテナンスされている風がない各ビルのさびれたファサードと、雨の日には至極歩きやすい構造になっている点だろう。
建物の二階以上が前に張り出していて、一階部分だけが奥まっている。その奥まった部分が屋根付きの歩道になっていて、雨の日も濡れずに歩くことが出来る。「騎樓」というらしい。
今回も何度か小雨に降られたが、この「騎樓」のおかげで、どんな天候でも街歩きは不思議と快適だ。初夏の強い日差しにもいい。夜になると、不快の極みであるあやつもやはし目にしたが、そこは台湾マジック。なぜか台湾にいるおかげで、気にならない。



それから今回の旅で、また一つ分かったことがある。それは... 台湾は、日本人が物足りる(もしくはそれ以上の)かわいい雑貨パラダイスであるということ。今回初めて、永康エリアへお散歩へ行ってみたのだが、そこで出会った LAI HAO というお店で、私は怒りを感じていた。置いてあるものすべて、カラフルでかわいい、、、!全部欲しくなる!けしからん、なんてかわいいんだ!という感じで、終始頭沸騰。
LAI HAO では、烏龍茶の香りという、うっとりする香水にも出逢ってしまった。P. Seven というブランドが作っているらしい。調べてみると、さすが、日本でも取り扱いがされている。LAI HAO では小サイズしか売っていなかったので、速攻教えてもらって正規店へ向かう。徒歩二分の距離だった。




最終日の日曜日には、元同僚で現地の友達 P と、P の恋人 B くんにも再会。B くんはクライマーで、自然の岩山をガチで登る他、ほぼ毎日ボルダリングジムへ行くという。
世界チャンピオンのバリスタがいるという高級カフェで待ち合わせした後、華山 1914 の裏にある中央藝文公園へ移動すると、B くんがうちの子とたっぷりと遊んでくれた。さすがの体力...!アラフォーで、なんかもういろいろ疲れ切っている親としては、感謝してもしきれない。
以下、今回初めて行けた場所リスト。



①常に飲んでいた大好き台湾 18 ビールの工場😇
あいにく工場見学はお休みだったのだけど、工場の敷地内を奥の方へ進んでいくと、お土産物屋さん兼バーがあり、そこで破格で飲むことが出来る。
そしてここのバーが、絶妙にやる気があるようなないような、それはまるで在庫の薄いコンビニか倉庫にも似ているような... 台湾らしいゆるさを惜しむことなく発揮している(笑)。
『私にこのバーのプロデュースをさせて欲しい...!もっと売り上げ取れるはず!』と思ったのだけど、後日 P と B くんにこの話をすると、「政府がやっているからね、数字に困ってないの。やる気がなくて当然」と、微笑んで教えてくれたのであった。やっぱりねw



②台湾の伝統的な朝食レストラン「世界豆漿大王」
今回ようやくタイミングがあって、行くことが出来た!しかしホテルで軽く朝食を食べた後に行くという、少し無謀なチャレンジ。お店は、一人一品絶対注文制度なので注意。しかも、パンや飲み物などの軽いものは含まれないという厳しさであった。
ここは日本人に有名なようで、店内は欧米のバックパッカー系か、日本人だらけである。私はここで初めて「豆漿」を知ったのだけど、絶妙に甘いスープが美味しいー!ミルクティーと合わせて、旅行の疲れが取れるかのようである。
しかし私は台湾にいる間、あまりに幸せ・楽し過ぎて、風邪も引かず、体調も崩さず、常にハイテンションなので、子にうるさがられるというお決まりの流れであった。ちなみに子のメモによると、今回の旅行では、私は合計 72 回 ” J’adore Taiwan(台湾大好き)” と叫んだようである。一週間滞在して 72 回とは、大体一日に 10 回前後ということなので、まだ控えめでは...?

私の顔よ😂
その他、レストラン系では...
①偶然見つけた宝物みたいなレストラン「LEONE」。
ホールスタッフに、Japanese Breakfast のボーカル、ミシェルそっくりのお姉さんがいてびっくり。そのことで少し話しかける。夫には「やめなよ... 」と引かれるが、気にしない。
お姉さんは笑顔で、「台湾に来たなら台北だけでなく、南へ行かないとダメだよ!南が本当の台湾だよ」と教えてくれる。ちなみにミシェルの音楽も美しいが、著書 “Crying in H Mart” は最高だ。

②チャーハン好きのうちのメンズも認めた「心潮飯店|台北微風信義店 SINCHAO RICE SHOPPE」
こちらのお店も、料理の味はもちろん、目にするデザインすべてが素晴らしい。まったく台湾、素敵過ぎるよ...!あまりに写真撮りまくりで、携帯のメモリを振り切りそうである。
メンズを、101 タワーへ行かせた後、合流して、すぐ近くにある微風(Breeze)や、日本人にはふるき懐かしデパートのそごうまで、空中庭園という名で通路が出来ており、繋がっていた。地上レベルを歩かなくともたどり着ける、とても気持ちのいいシステムだった。前回はまったく気づかなかった。
台湾という大確幸(私が作りました、だって小さくないもの)に感謝します。

これは、ホテルからそう遠くない中安公園で子をちょっと遊ばせていた時に撮った写真なのだけど、この時、この公園で、一人の老紳士と出会った。正確には、老紳士は車椅子に座り、インドネシア系の女性に押されていた。
老紳士は、最近どの公園にもよく置いてある運動器具の、車輪のような、ハンドルのようなものを、底が少し白く、透けたような色をした優しい目で見つめると、非常にゆっくり、音にならないくらい、左右に動かしている。目の焦点はハンドルに合っているようで、その向こうを見つめているような、はたまた空か、過去を見つめているような、そんな眼差しだった。私がこの老紳士に圧倒されたのは、彼の 85 をも超えているような年齢だった。いや、90 近いのかもしれない。その風貌は、どことなく父方の祖父に似ていた。
台湾で出会う老紳士のような年代の方は、きっと日本語が第一言語だったであろう。彼もまた、時代に翻弄されただろうか。まったく日本は無茶なことをした、とまたここでも思う。一人、猛省する思いだ。少なくとも、彼の老後、また現在(いま)を取り巻く環境が、穏やかなものであることを願わずにいられなかった。

この半年の間に、予習というか復習として読んで勉強した本が「台湾の本音」。今回の旅の後、韓国へ戻ってからは、日本で注文しておいた数冊も読んでいる。今現在は、司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズ 40 「台湾紀行」に夢中だ。
世代的に... と言うと言い訳でしかないのは分かっているけれど、司馬遼太郎さんの本を読むのはこれが初めてで、彼の多大な文筆力とリサーチ力に平伏すような気分だ。「台湾紀行」には、当時の台湾総統である故李登輝氏との対談も収録されていて、とても豪華だ。そして李氏のような人こそが、本来政治家と呼ばれるべき人物で、器だよなぁと思ったりする。
台湾について読書するという、新しい趣味が出来て嬉しい。(なんせ、気がついたら無趣味の女になってたからな...!)

台湾は、かわいい。
せっかく台湾まで二時間半で着く場所に住んでいるのだから、願わくば 9 月の旧盆(チュソク)の休みの際に、今度は高雄経由で台南へ行ってみたいのだが、夏のバカンスの後では財布も体力も燃え尽きていて、難しそうだ。そうこうしていると 2027 年が近づいてくるが、予想が外れ、その恐ろしい食指が遠のくことを祈るばかりである。
最後に、前出の「台湾紀行」にある「魂魄(こんぱく)」という章が素晴らしいので紹介したい。
夕方、六歳の準ちゃんは、自宅の裏のガジュマルの樹にのぼった。
枝葉の茂みが、ソファのようにやわらかい。
いつもとちがって屋根の瓦の波が目の前にあり、べつな宇宙にきたみたいだった。本を読みはじめた。
やがてお母さんが勝手口から出てきた。髪をひっつめ(ひっつめ、に傍点)にして、青っぽい和服を着ている。
「準ちゃん」
と、樹の下で、彼女は遠くにむかって呼ばわった。が、当の準ちゃんは、頭の上の樹の梢にいる。
「ごはんよ、準ちゃん」
お母さんが途方に暮れたまま、
「準ちゃんは、どこへ行っちゃったのかしら」
と、つぶやく。当の準ちゃんは、笑いをこらえて樹の上にいる。
(「魂魄」『台湾紀行 街道をゆく 40』)
… これは、台湾生まれの元新聞記者・田中準造氏の子ども時代で、彼の物語だ。話はこの幼少期の記憶から、田中氏が大人になってから、生まれ育った台南市新営の街を再び訪れ、とある人へ逢いに行くことから始まるのだけど、これがもう涙無しには読めない。
私はあまりに感動したので、ここからインスピレーションを得て、いつかきちんとした書の作品に昇華してみたい、と思っている。今年中に作るぞ!
台湾、ありがとう。また絶対行くからね。待っててくれよな❤️




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